み…、見えない?
今回の話題は、
このヘルメット…
コレって…、上、見えなくネ?
このひさしのような物は、一体なぜ付いているのか?
はっきり言って、一番見たい方向が見えない。
もちろん、進行方向に向かってシートやコクピット全体が
リクライニングや回転する機構になっていただろうことは、想像に難くないのですが…
通常、パイロット用のヘルメットというのは、できるだけ視界を広く取れるように出来ているものですが…
実は、この「ひさし」にヒミツの機構が…
この部分には、パイロットの眼球に直接光を送り込み、
3D画像で外部を見せる機能が付いているのです。
実のところ、コクピット内の2Dモニターはあくまで補助として装備されているだけで
メインの視覚情報はこのヘルメットから送られてくるのです。
ビームサーベルでの切り結び、殴る蹴るの格闘戦、宇宙空間でのドッグファイトなど
“間合い”が非常に重要になる戦闘では、
3D画像による自然な距離感覚は欠かすことの出来ない重要な情報です。
特に、ただでさえ距離感のつかみにくい宇宙空間では
2D映像を頼りに戦うなど自殺行為です。
さて、現代のいわゆる「3D映像」を見ていて、見にくかったり、目が疲れたりすることが多いと思いますが、実はコレは、現代の3D画像の仕組みに問題があるのです。
現在「立体映像」と呼ばれている映像は、左右の眼球の位置の違いから来る、見ている物体との角度の差、コレを再現した映像を、各眼球に別々に見せることにより、立体のように見せるというシステムです。
しかし、人間の眼球中には、ピントを合わせるために、
見ている物体との距離にあわせて水晶体の厚さを変えるという機能が備わっており、
その3Dとして再現された映像が1mの距離に映写されていれば、
その内容が100m先の物体を映していても、眼球のピントは1mの位置にあわせなければなりません。
つまり左右の目に入ってくる映像の角度の差による距離感と、眼球があわせるべきピントの距離とが違ってしまう訳です。
コレが“立体映像”を見たときに目の疲れる原因なのです。
それでは、この不自然さを解消するためにはどうすればいいか…
そう、そのピントの合う光を眼球に直接入射すればいいのです。
センサーによってヘルメットの向き、眼球の向きと焦点の距離を読み込み
連動したカメラから映像を直接眼球の送り込む。
この辺りに、眼球連動のカメラを設置すれば、
視界はまさに、18mの巨人になったかのような…
モビル“スーツ”と呼ぶにふさわしいものになるでしょう。
というワケで、そのための機構がその“ひさし”の中に装備されてるのです。
というわけで、アムロ君が劇中でひさし越しにやぶ睨みで前方を凝視していることが多くて、「前が見えてなくネ?」と心配なされてた皆様、ご安心ください、
アレで正常だったのです。