連邦の新型モビルスーツ

「大佐、聞こえるか、こちら赤鼻、サイド7:1バンチ、連邦軍施設敷地内への潜入に成功した。」
「聞こえるぞ。しかし、ノイズが多い。ミノフスキー粒子の濃度が高いようだ、やはり、何かある。
以後は、無線は封鎖だ。データを収集し持ち帰れ。」
「了解、OVER。」

8月23日02:00、サイド7、1バンチ、連邦軍施設、記録「赤鼻」

サイド7は、コロニーにしては、気温が高いようだ。
軍の施設にしては樹木が多い、カモフラージュか?
深夜にもかかわらず発電機の音が聞こえる。何か作業中のようだ。

何だ?
む、何だ?

目標か?
アレが目標か?
…接近する。

これは…?
これは…?

やはり…
やはり…!
RX-78
目標を発見した。
連邦の新型モビルスーツ
既に入手済みの情報より形状が複雑だ。

おそらくジャブローで進行中の量産型とは別計画の、
性能限界実験試作機、RXシリーズと思われる。

高感度カメラにて撮影する。三脚の使用により、肉眼で見るよりも鮮明な撮影が可能だ。

いかん!警備員に発見されたようだ!引き上げる。

夜明けを待ち、一般人を装い再度接近を試みる。


8月23日11:00、サイド7、1バンチ、連邦軍施設の南方、約300m、
船の科学館」横車道、記録「赤鼻」
見えない
この方向にあるはずだが全く見えない。
高さ18mの人型兵器は、すぐに発見されるので兵器として役に立たないとか言ったのは誰だ?
全く発見できないぞ。
パーキングスペースまで30分以上の時間がかかった。

最寄の駐車場から
昨夜と同じ場所から接近を試みる。

同じ場所から
目標までの距離、約100m。
ここまで来て、やっと姿を確認できる。

サイド7の環境管理はクレイジーだ。摂氏30℃を軽く超えている。
ミラーの制御もおかしいようだ、太陽光が強すぎる。
長時間の潜入は不可能だろう。(それが狙いか?)

遠方より正面
正面に回りこむ。
胸のルーバーは…、減速、後退用のロケットノズルのようだ。
変わった形状をしている。

それにしても、サイド7は、ヤケに人口密度が高いようだ。
む!よく見ると、多くの者が、小型カメラで撮影を試みている。
なんと!これが全員、我が方の諜報部員か!?
数多過ぎ!
ギレン閣下、予算の無駄遣いですぞ!

情報によると、メガ粒子砲に順ずるタイプの携行武装
追加装甲の携行型シールドが用意されているはずだが、
ここからは確認出来ない。

背面
背面に回ってみる。
こちらが正規の入場口のようだ。
何故か人だかりが出来ている。新型モビルスーツは背面も人気だ。
メインのロケットノズルが2基確認できる。
機動性は高そうだ。

バックパック上部から2本、棒状の物が突き出している。
情報によると、荷電粒子を棒状に発振する
ビームサーベルなる携行兵器が装備されてる筈だ。
おそらくアレがそうだろう。

側面1
側面。
バックパック側面にもルーバー状の側方移動用のロケットノズルが装備されているのが見える。

脚駆動系を保護する腰部アーマーは、我が方のザク=タイプよりも簡素だ。
しかし部分的に二重装甲になっているようだ。
実験中なのか、その部分だけイエローに塗装されている。

側面2
あるいは、
駆動系をより大型の物に変更したのかもしれない。
当初の寸法に収まらなくなったために、あのような形状になったのか…?。
前後両方に同じ形状の追加装甲らしき物が見える。

さらに接近して情報を収集する。
なに?真下では写真撮影禁止だと!…がっでむ!

バックパック
背面を下から撮る。
メインの2基のロケットノズルの奥に、さらに2基のロケットノズルが装備されている。
う〜む、我が方のザク=タイプを凌駕する性能を有するのか…?

蒸気
ん?蒸気が?、駐機されているだけかと思っていたが…、起動している!?
パイロットが搭乗しているのか?

何か発見?
!、やはり、レドームが作動している。
何だ!?何かを発見した?
つか、左肩のマークは一体…?

RX-78-2
しまった!発見されたか!?
いかん!
撤収する!

…以上で、記録を終わる。

「大佐、暑さで朦朧としてきた、回収を頼む」
「残念ながら回収部隊は派遣出来ない。自力で帰投せよ。水分補給を怠るな」
「了解…ハアハア…OVER」